まちをたのしむvol.2 屋上に棲む。

 

まちをたのしむvol.2 屋上に棲む。

「もっと便利に、より快適に」
のスローガンのもと私たちは今の繁栄を築いてきました。でもその陰で無意識のうちに大切な何かを失ってきたのかもしれません。
「営業的な利益を考えれば、より便利な事務所で、そしてフランス語よりも英語や中国語を教えるほうがいい。それをわかっていながらフランス語にこだわるふたり」。テラスでの昼寝が大好きという彼女たちは誰よりも豊かな心を持っているのかもしれない。

 

ようこそ、アイト・フランスへ。

長い長い階段をのぼっていくと、アイト・フランスという名のオフィスがあった。室内は、そこかしこに、"スライス・オブ・フランス"とでも呼びたくなるものであふれていた。

まちをたのしむvol.2 屋上に棲む。

 

ふたつとないとっておきの場所。ふたつとないとっておきの場所。

5階というよりもペントハウスと呼んだほうがふさわしい。屋上ならではののびやかな開放感は、長い階段を上ってきた者だけに許される天からのギフトなのかもしれない。

まちをたのしむvol.2 屋上に棲む。

 

コンビニエンスじゃない、しあわせ。

古い歴史をもつフランスでは、エレベーターがないビルの上層階で暮らす人は珍しい存在ではない。ふたりにとって、その不便さがフランスを感じさせ、魅力的にさえ感じられたという。

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「今の世の中、便利だとか、回り道をしないで早くとかいう価値観だらけでしょ。そういうのって、無味無臭というか、人間ぽくないじゃないですか。」

わたしたちみたいに本当にフランスが好きっていう人間は(物質的なことよりも)精神的なことを重視するタイプなのかもしれません。だからエレベーターがないことよりも、開放的な広いテラスがあることのほうが何倍も価値があるように思えるんです。」

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